医学部別の医師国家試験合格率ランキング2021

2020年9月23日

医師国家試験の大学別合格率ランキング2021

2021年に実施された医師国家試験の医学部大学別合格率を国公立・私立含めてランキングでまとめて解説

ここでは、医学部卒業で受験資格が得られる医師国家試験について紹介しています。

最新試験結果の医学部別合格率についてもランキングで解説。

医師国家試験に合格しないと医師免許が取得できないだけでなく、進級率などにも影響してきます。

医学部別の合格率ランキングの確認や、大学選びに役立ててみて下さい。

医学部卒業後の最初の関門は医師国家試験

医学部卒業後の最初の関門は医師国家試験

国家試験合格が医師免許取得に必要不可欠


医学部医学科を卒業後はすぐに医師国家試験を受験することになります。

国家試験に合格して初めて医師免許を持つことができ、医療行為を行うことができるようになります。

ただし、日本では、臨床を行うためには研修医として初期臨床研修(2年)を受けることが法律で義務付けられています。

したがって、医師免許を取得できないと初期臨床研修に参加することができないため、研修医にすらなれません

医師国家試験の合格率は非常に高いですが、それでも毎年不合格になる人がいます。

この場合は、予備校などに通って対策を行い翌年の試験で合格を目指すことになるのです。

医師国家試験の難易度は?

医師国家資格と言えば、弁護士および公認会計士が医師と並んで3大国家資格とされています。

しかし、司法試験の合格率34%(2019年)は、公認会計士試験の合格率は10.7%(2019年)と、医師国家試験の平均合格率90%程度に比べて非常に低いことが分かります。

もちろん、資格や試験制度並びに倍率などが異なるため、一概に医師国家試験が簡単であるとは言えません

医学部ではすべての授業は医師国家試験対策になるような授業は行いませんが、普段の勉強した内容が試験に出るため6年間かけて勉強していうことになります。

しかも、進級判定が非常に厳しいので嫌でも知識は身についていき、おまけに卒業試験は国家試験よりも困難だと言える大学も多いの特徴。

したがって、医学部を卒業できた学生は国家試験に合格できるレベルを持っている人がほとんどで合格率が高い要因にもなっているのです。

受験対策の方法

医師国家試験の対策は医学部がサポートしているとこもあれば、放任主義の大学もあるなど医学部によって様々です。

多くの医学部生は自分で教材などを使って勉強して新卒で合格していきますが、中には不合格で浪人してしまうケースも。

この場合、医師国家試験対策を行う予備校に通って勉強することになります

学費は決して安くはありませんが、国家試験に合格できなければ次に進めないため、多くの人が通って勉強しています。

医師国家試験に不合格だった場合は?

医師国家試験に不合格だった場合は?

国家試験不合格だった場合の進路


医師国家試験合格ランキングを見ても分かるように、合格率の低い医学部の場合は約2割の学生が不合格となってしまいます。

もし国家試験に合格できなかった場合は、初期臨床研修に参加することはできません。

受験時代のように浪人生活を行いながら翌年の試験で合格を目指すことになります。

おすすめは実績や情報が豊富な予備校での勉強

不合格の場合は、独学で再挑戦する人もいますが、やはり人生がかかっているので予備校や通信講座を受講して勉強している人が多いです。

おすすめは、通信よりも予備校の通学講座

やはり、通学して授業を受けて対策をするという生活リズムを習慣化させたほうが計画通りに勉強できるため、合格できる可能性が高くなります。

独学や通信だど、自己管理が難しく思うように勉強が進まないリスクが非常に高いです。

ただし、予備校に通うとなると年間の学費で100万円以上はかかってしまうので、そこは投資として割り切るようにし、独学を選ばないことをおすすめします。

一般企業への就職を実現する人も

医師国家試験だけでなく、薬剤師や歯科医師の国家試験も最近は依然と比較すると難易度が上がっており、合格できない学生は増えています。

この場合、浪人して再挑戦する学生が多いですが、なかには一般企業への就職を実現する学生もいます

一般企業へ就職する場合は、新卒支援などを手掛ける人材エージェントに登録する方法がおすすめです。

もともと医学部に合格でき、厳しい進級判定をくぐり抜けて卒業できた人材であるため、医療界をはじめ企業によっては高い評価をしてくれることも珍しくありません。

医学部医学科を卒業していれば、いつでも国試にチャレンジすることは可能なので、まずは外を見てみるという考えで就職することも1つの方法です。

間違っても国家試験に合格できなかったら人生終わったというな考えにならないでください

医学部の医師国家試験合格率ランキング

医学部の医師国家試験合格率ランキング

国家試験合格率を大学別に解説


ここでは2021年2月に実施された第115回医師国家試験の合格率をランキングで紹介します。

偏差値ランキングとは違った順位で医学部が並んでいるのが分かると思いますので、確認してみて下さい。

ちなみに、ランキングの指標となる合格率には医学部の新卒・既卒を含めた合格率となっています。

第115回医師国家試験概要

実施日 2021年2月6日、7日
受験者数 9,910名(内合格者9,058名)
合格基準 【一般・臨床】209点以上/300点(得点率69.7%)
【必須】160点以上/200点(得点率80%)
合格率 新卒:94.4%、既卒54.5%、合計91.4%

国公立・私立大学医師国家試験合格ランキング【2021年】

順位 大学 区分 受験者 合格者 合格率 2020年度
合格率
1 自治医科大学 私立 115 115 100.0% 100.0%
2 東京医科歯科大学 国公立 103 102 99.0% 98.2%
3 秋田大学 国公立 131 128 97.7% 96.9%
4 防衛医科大学校 準大学 80 78 97.5% 93.8%
5 筑波大学 国公立 142 138 97.2% 94.4%
6 名古屋市立大学 国公立 105 102 97.1% 96.0%
7 信州大学 国公立 126 122 96.8% 89.2%
8 浜松医科大学 国公立 120 116 96.7% 96.1%
9 産業医科大学 私立 88 85 96.6% 100.0%
10 藤田医科大学 私立 111 107 96.4% 94.2%
11 東北大学 国公立 131 126 96.2% 95.0%
12 順天堂大学 私立 130 125 96.2% 99.2%
13 岐阜大学 国公立 100 96 96.0% 95.7%
14 名古屋大学 国公立 123 118 95.9% 91.5%
14 北里大学 私立 121 116 95.9% 94.5%
16 聖マリアンナ医科大学 私立 120 115 95.8% 95.6%
17 慶應義塾大学 私立 115 110 95.7% 95.7%
18 富山大学 国公立 112 107 95.5% 94.9%
18 琉球大学 国公立 133 127 95.5% 90.6%
20 東京慈恵会医科大学 私立 124 118 95.2% 94.6%
21 東京医科大学 私立 123 117 95.1% 94.3%
22 北海道大学 国公立 121 115 95.0% 95.0%
23 横浜市立大学 国公立 99 94 94.9% 96.9%
24 千葉大学 国公立 134 127 94.8% 96.3%
25 佐賀大学 国公立 114 108 94.7% 94.6%
26 埼玉医科大学 私立 129 122 94.6% 95.9%
27 札幌医科大学 国公立 109 103 94.5% 91.7%
27 日本医科大学 私立 127 120 94.5% 97.4%
29 宮崎大学 国公立 124 117 94.4% 89.2%
29 獨協医科大学 私立 125 118 94.4% 88.5%
31 香川大学 国公立 106 100 94.3% 95.3%
31 愛知医科大学 私立 122 115 94.3% 89.1%
33 和歌山県立医科大学 国公立 99 93 93.9% 98.1%
34 徳島大学 国公立 113 106 93.8% 92.1%
34 昭和大学 私立 130 122 93.8% 94.3%
36 神戸大学 国公立 126 118 93.7% 92.4%
36 山口大学 国公立 126 118 93.7% 91.5%
38 杏林大学 私立 125 117 93.6% 94.1%
38 東邦大学 私立 125 117 93.6% 94.5%
40 京都府立医科大学 国公立 105 98 93.3% 95.0%
40 兵庫医科大学 私立 104 97 93.3% 97.5%
42 岡山大学 国公立 123 114 92.7% 89.3%
43 福井大学 国公立 122 113 92.6% 95.3%
43 熊本大学 国公立 135 125 92.6% 82.4%
45 鹿児島大学 国公立 120 111 92.5% 92.8%
45 大阪市立大学 国公立 107 99 92.5% 96.9%
47 長崎大学 国公立 125 115 92.0% 94.1%
48 金沢大学 国公立 119 109 91.6% 93.7%
49 大分大学 国公立 130 119 91.5% 89.7%
49 福島県立医科大学 国公立 130 119 91.5% 95.0%
51 三重大学 国公立 137 125 91.2% 92.9%
52 弘前大学 国公立 123 112 91.1% 91.0%
52 東京大学 国公立 123 112 91.1% 91.3%
54 山梨大学 国公立 140 127 90.7% 97.4%
54 大阪大学 国公立 118 107 90.7% 91.4%
56 東京女子医科大学 私立 117 106 90.6% 92.4%
57 高知大学 国公立 135 122 90.4% 91.1%
58 群馬大学 国公立 142 128 90.1% 94.6%
58 滋賀医科大学 国公立 131 118 90.1% 94.0%
58 愛媛大学 国公立 121 109 90.1% 92.6%
61 京都大学 国公立 117 105 89.7% 91.0%
61 奈良県立医科大学 国公立 117 105 89.7% 95.0%
63 旭川医科大学 国公立 115 103 89.6% 93.4%
63 岩手医科大学 私立 154 138 89.6% 91.6%
65 山形大学 国公立 140 125 89.3% 92.2%
66 島根大学 国公立 120 107 89.2% 89.5%
67 関西医科大学 私立 116 103 88.8% 94.8%
68 福岡大学 私立 118 104 88.1% 89.1%
69 新潟大学 国公立 139 122 87.8% 92.5%
70 九州大学 国公立 113 99 87.6% 93.0%
70 東海大学 私立 121 106 87.6% 90.1%
72 近畿大学 私立 126 110 87.3% 97.3%
73 日本大学 私立 144 125 86.8% 97.0%
74 広島大学 国公立 131 113 86.3% 87.8%
75 川崎医科大学 私立 113 97 85.8% 96.6%
76 大阪医科大学 私立 118 101 85.6% 100.0%
77 鳥取大学 国公立 118 99 83.9% 94.7%
78 金沢医科大学 私立 129 106 82.2% 84.8%
79 帝京大学 私立 140 112 80.0% 79.4%
80 久留米大学 私立 135 105 77.8% 84.4%

国公立・私立大学医学部の平均合格率

上記のランキングから国立・公立・私立大学医学部の平均合格率を算定した場合、国立大学92.5%、公立大学93.3%、私立大学は91.1%と、2020年度と比較して私立大学が2.2%下がりました

また、2020年度の合格率と比較しながらランキングを見てみると、大阪医科大学が大きく合格率を落としていることが気になるところ。

2021年度は自治医科大学のみ100%を達成し、9年連続の1位でした。

ランキングを活用する際の注意点

ランキングを活用する際の注意点

国試ランキングの使い方

医学部は偏差値・格付けが高いから合格率が高いとは限らない

上記の医師国家試験合格率ランキングを見ても分かるように偏差値が高い医学部は優秀な受験生が集まるものの、決して合格率が高いという訳ではないということです。

特にランキング下位には国立大学医学部が多く集まっていますが、国立は私立に比べて医学教育の重視、そして研究医の育成に力を入れていることから、試験対策は学生任せに行っているところが多いのが特徴

いくら優秀な医学部生でも学生生活を謳歌して試験対策が疎かになってしまい、不合格になることもあります。

いっぽう、私立の医学部は合格率の高さは内外でアピールできる好材料であるため、医学部を上げて授業やテストで国家試験対策をサポートしているケースも少なくありません。

したがって、偏差値が中堅に位置する医学部でも合格率ランキングでは上位に位置していることがあります。

以上の理由から東大医学部がランキング62位であるように、必ずしも偏差値トップが合格率でもトップになるとは限らないのです。

合格率が高い医学部は進級率に注意(特に学費の高い私立)

もう一点、ランキングで私立大学医学部が上位に集まっている要因として留年率の高さがあります。

私立大学によっては、6年間ストレートで卒業できる学生は半分以下という医学部もあり、医師国家試験を受験する学生を事前に精査しているケースがあります。

ランキングで上位に名前があがれば宣伝効果になり、逆にランキングで下位に落ちればイメージダウンや人気低下も必至。

したがって、進級率を厳格にすることで高い合格率を確保し、ランキング上位を維持している医学部があるということも知っておきましょう。

特に私立大学医学部の場合は、学費が高額なので1年留年しただけでも経済的負担が重くのしかかってしまうので注意が必要です。

医学部の学費が高い場合、留年をきっかけに費用をこれ以上払えないと退学していく学生もいます。

合格率ランキングは志望校選びに役立つ?

合格率ランキングは志望校選びに役立つ?

国試合格率と志望校選びのポイント


医学部の志望校選びに医師国家試験の合格率ランキングは役に立つのでしょうか?

結論からいうと、1つの参考材料としてランキング情報を活用することは有益だということです。

医学部の偏差値だけで志望校を選んで合格できたとしても、医師国家試験の合格まで辿り付けなくては医師になるこはできません。

医師国家試験に合格できずに何年も浪人生活を送ってる人はいます。

いかに効率良く医師免許取得まで進められるかが、医学部選びでは重要になるのではないのでしょうか。

ただし、上記で説明したように合格率が高い医学部の中には進級が厳しい大学も含まれています。

したがって、進級率と医師国家試験合格率の両方を確認しておくことが、上記ランキングを活用する際は大切です。

つまり、進級率が高く、国家試験合格率も高い医学部は、最短ルートで医師になることができるということです。

最近は序列・学閥・ヒエラルキーなどの影響力も低下しており、出身医学部よりも医師としての資質が重視されつつあります。

医学部生は全国の研修指定病院を希望することが可能となり、出身大学の付属・関連病院に必ずしも進む必要はありません。

現役の高校生や浪人生は、最短ルートで医師になれる医学部を選ぶことをおすすめします。

まとめ

今回は医学部の医師国家試験ランキングを紹介しました。

偏差値ランキングとはまた違った医学部の格付けが確認できて興味深かったのではないのでしょうか。

もちろん、医学部に合格することが大前提ですが、医師国家試験に合格できないと医療行為は行えません。

上記のランキングを確認しながら、進級率なども含めて総合的に志望医学部を選ぶことをおすすめします。

 
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