医学部に学士編入したい
医学部には学士編入制度が設けられており、現在国立大学および私立大学をあわせて35以上の大学で実施されています。
医学部学士編入制度とは、医学以外の分野を専攻した学士の学位を修得している(修得見込み)人を、医学部の2年次又は2年次に編入させる制度です。
選考方法は、書類審査、学科試験、面接(集団討論含む)が主にを主に実施。
学科試験は、英語・数学・理科を実施する大学から富山大学のような総合試験まで、大学ごとに変わってきます。文系科目だけで受験できる大学もあるので、勉強から離れていた社会人や文系出身の学生でもチャンスがあります。
注意したいのは、学士編入試験では面接が重視されていて個人面接だけでなく、多くの大学が集団討論を採用しています。
国公立大学が主流ですが私立も狙い目
2021年度向けの学士編入試験を実施する大学は国公立・私立合わせて31大学ありますが、私立は3大学しかありません。
したがって、学士編入試験を目指す場合は国公立大学を受験するのが一般的です。
ただし、岩手医科大学の学士編入は3年次から編入できるため、在籍期間と学費などの費用面で大きく節約可能。
また、東海大学は募集定員が15名と他大学と比較すると多いので、合格のチャンスも高まります。
このように私立大学医学部の場合は、編入試験を実施する大学が少ないですが、魅力的な入試制度を採用しているので挑戦する価値は高いです。
東海大学医学部は短大・専門卒でも受験可能
東海大学医学部は、4年制大学ではなくても、短期大学、高等専門学校、そして専門学校のうち文部科学大臣の定める基準を満たすものを修了・修了見込みでも受験することが可能です。
幅広い方に受験資格が与えられているので、編入試験を興味があるけど学歴で諦めている人にとっておすすめの大学となります。
東海大学医学部の編入試験は、筆記試験が英語と適性試験で構成されており、文系出身でも受験しやすいのが特徴で、専門の対策講座を設置している予備校もあるくらい人気です。
編入時期は1年次秋学期とそこまで在学期間は短縮されませんが、おすすめの医学部と言えます。
学士編入試験の実施大学リスト一覧
3年次編入可能な医学部
大学名 | 区分 | 募集定員 |
---|---|---|
名古屋大学 | 国公立 | 5名 |
島根大学 | 国公立 | 5名 |
岩手医科大学 | 私立 | 4名 |
3年次に学士編入可能な大学は国公立私立合わせて3大学あります。
ただし、定員数は決して多くはなく、在学期間も大きく短縮できることから合格難易度や入試倍率は高め。
2年次編入可能な医学部
大学名 | 区分 | 募集定員 |
---|---|---|
北海道大学 | 国公立 | 5名 |
旭川医科大学 | 国公立 | 10名 |
弘前大学 | 国公立 | 20名 |
秋田大学 | 国公立 | 5名 |
筑波大学 | 国公立 | 5名 |
群馬大学 | 国公立 | 15名 |
東京医科歯科大学 | 国公立 | 5名 |
新潟大学 | 国公立 | 5名 |
富山大学 | 国公立 | 5名 |
金沢大学 | 国公立 | 5名 |
福井大学 | 国公立 | 5名 |
浜松医科大学 | 国公立 | 5名 |
滋賀医科大学 | 国公立 | 15名 |
大阪大学 | 国公立 | 10名 |
神戸大学 | 国公立 | 5名 |
鳥取大学 | 国公立 | 5名 |
島根大学 | 国公立 | 5名 |
岡山大学 | 国公立 | 5名 |
山口大学 | 国公立 | 10名 |
香川大学 | 国公立 | 5名 |
愛媛大学 | 国公立 | 5名 |
高知大学 | 国公立 | 5名 |
長崎大学 | 国公立 | 5名 |
大分大学 | 国公立 | 10名 |
鹿児島大学 | 国公立 | 10名 |
琉球大学 | 国公立 | 5名 |
学士編入で最も一般的なのが2年次編入となります。
再受験でも寛容的な滋賀医科大学医学部は、学士編入試験でも定員を15名と豊富に確保しており、年齢に関係なく様々なバックグランドを持つ生徒を募集していることが分かります。
また、最も学士編入試験の募集定員枠が多いのは弘前大学の20名で、人気も高く合格は決して容易ではありません。
1年次途中編入可能な医学部
大学名 | 区分 | 募集定員 |
---|---|---|
北里大学 | 私立 | 若干名 |
東海大学 | 私立 | 15名 |
1年次途中に編入できる大学は私立で、北里大学は1年次9月、東海大学は1年次10月のタイミングで編入となります。
先にも紹介したように東海大学は15名と定員数も多いので、社会人にとってはは魅力的な医学部の1つとなります。
学士編入で医学部を目指すメリット
年齢が再受験ほど気にならない
学士編入と医学部再受験で迷っている受験生は多いのではないのでしょうか。
医学部再受験の場合は、年齢の寛容か否かについてよく議論されますが、学士編入の場合はそこまで問題視されません。
理由は、一般入試は現役生も受験しますが、学士編入はそもそも社会人を対象にした入試制度であるからです。
したがって、受験生はある程度の年齢であることを承知で募集しています。
ただし、学士編入であってもあまりに高齢である場合は、再受験と同様に条件的には厳しくなります。
文系出身でも受験しやすい入試制度
医学部の学士編入の場合、筆記試験と面接試験の2部構成ですが、筆記試験では英語と生命科学で受験できる大学も少なくありません。
つまり、一般入試を受験するように理科科目を2科目深く勉強する必要がなく、文系出身でも受験しやすいのが特徴。
実際に文系の方で学士編入に合格しているケースがあるため、入学後は理科科目で苦労するかもしれませんが、入試段階では対策負担が少ないメリットがあります。
編入によって在籍期間が短縮
学士編入の場合は、他学部で履修した単位が一部認められるため、大学によって編入時期は異なりますが、1年次後半や2年次からの入学が可能となります。
ということは、6年間医学部に通う必要がなくなり、その分卒業までの期間が短縮可能です。
学士編入で医学部を目指す場合は年齢的にも上であるため、早期に卒業して1年でも早く医師としてのキャリアを磨けることは非常に魅力。
学費節約にもつながる
学士編入で、1年次後半または2年次から入学できれば、その分の学費はかからないことになります。
したがって、学費だけでなく生活費も節約できるため、一般入試で1年生から入学するよりも経済的負担は抑えることが可能です。
国公立大学医学部の場合は最初から学費は安いですが、私立大学医学部に編入した場合は1年でも学費は浮く効果が非常に大きくなります。
国公立大学でも併願できる
一般入試の場合だと、国公立大学医学部は前期日程と後期日程の最大2回しか受験機会がありません。
いっぽう、学士編入試験の場合は医学部ごとに日程が異なるため、国公立大学でも複数大学を受験することが可能です。
したがって、受験機会が多いだけ医学部に合格できるチャンスも高くなるメリットがあります。
面接対策が重要なポイント
学士編入では、学科試験と同じくらい重要になってくるのが面接試験です。
面接試験には、個人面接、集団面接、および集団討論の3パターンがあり、多くの大学が個人面接と集団討論を採用しています。
一般入試であまり見かけられない集団討論は、司会者の有無、ディベート式、フリーディスカッションなど様々な形式で行われます。
重要なのは、個人面接などと違って考える時間があるので、焦らずに自分の意見を発言することです。
テーマは、社会問題から医学問題まで様々な内容が取り上げられます。志望大学の傾向を分析し、テーマに関する内容についてメリット・デメリットの両方について自分の意見を用意しておくと、本番で柔軟な意見が述べられるでしょう。
予備校の対策講座で勉強するのがおすすめ
以前は、学士編入制度を設けている大学は一部に限られていましたが、最近は多くの大学が学士編入制度を導入しているので、多くの医学部予備校で学士編入対策コースを設置しています。
一般入試に比べると学士編入試験は、書類審査や面接試験は点数化され難いのではっきりとした学力が分からず対策が難しいと再受験の方を選択する人もいます。
しかし、医学部学士編入は、国公立大学医学部を複数校受験することができる点と、2年次以降に編入できるというメリットがあります。
また、医学部編入を目指す上で東海大学医学部のように特徴的な編入試験を実施しているが大学もあるので、予備校などの対策講座を積極的に利用していくことをおすすめします。
その中で、おすすめなのは河合塾KALKSの医学部学士編入コースです。
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