医学部の奨学金制度を公的・民間・大学で比較

医学部の奨学金制度を公的・民間・大学で比較

医学部の奨学金制度を詳細解説

医学部の高額な学費負担を支援するため、公的なものから大学独自、そして病院など民間の奨学金制度が充実しています。

全国82大学ある医学部。

学力が非常に高いことはもちろん、私立医学部においては学費も高額であることがほとんどです。

また、6年間と学生生活も長いため、「奨学金」を利用する医学部生は決して少なくありません。

ここでは、医学部における奨学金制度について、解説していきます。

医学部の奨学金制度

奨学金制度の仕組みを紹介する場面
まず、医学部を卒業するためにはどれくらいの学費が必要なのでしょうか。

授業料だけで計算すると、国公立であれば6年間で約330万円、私立は大学により異なりますが平均して6年間で約3800万円です。

また、医学部で使用する教科書は専門書のため1冊5000〜1万円など高価なので、6年間の書籍費も高価です。

加えて、一人暮らしをするとなるとその家賃や光熱費も…となり、医学部6年間の修学費用はやはり他学部より高額になります。

そんな医学部の奨学生制度にはどのようなものがあるのでしょうか。

大別すると、

  • 大学生全般を対象とした奨学生制度
  • 医学部のみを対象とした奨学生制度

とがありますが、ここでは

  • 公的な奨学金制度
  • 民間の奨学金制度
  • 医学部設置大学の制度

にわけて、解説していきます。

返済免除

医学部を対象とした奨学金の中には、「返済(返還)免除」が掲げられているものが少なくありません。

これは、「規定の条件を満たせば貸与した奨学金の返還を免除する」というものです。

簡単にいえば、貸与型という返済しなければならない奨学金を、

「条件」を満たせば返済しなくてもよくなる、実質的には給付された形になる、というものです。

公的な奨学金制度

公的な奨学金制度を紹介している場面
まずは公的な奨学金制度について解説していきます。

授業料等減免制度

2020年4月より開始された大学無償化制度により、

国公立・私立を含め全ての大学でこの制度が適用されています。

対象となるのは、世帯年収が380万円以下の家庭です。

その他、資産や市町村税の所得税額によっても規定があります。

以下に、この制度における減免の上限額(年額)を示します。

国公立 私立
入学金 授業料 入学金 授業料
約28万円 約54万円 約26万円 約70万円

条件によっては、この額の2/3や1/3が減免されます。

日本学生支援機構(給付型)

大学無償化制度の2本柱のもう1本が、この給付型奨学金です。

日本学生支援機構の奨学金といえば、後述する「貸与型」でしたが

大学無償化制度の導入により、この給付型奨学金が拡充されました。

実家から通学する「自宅生」と下宿など一人暮らしをする「自宅外生」とで給付額が異なります。

日本学生支援機構による給付型奨学金の年額は以下の通りです。

ただし、ここに示すのは住民税非課税世帯のものです。

国公立 私立
自宅生 自宅外生 自宅生 自宅外生
約35万円 約80万円 約46万円 約91万円

日本学生支援機構(貸与型)

日本学生支援機構の貸与型奨学金には、

利子のない「第一種奨学金」と利子のある「第二種奨学金」とがあります。

第一種奨学金は、実家から大学へ通学する自宅生と、下宿先などで一人暮らしをしながら通学する自宅外生とで貸与額が異なります。

国公立 私立
自宅生 自宅外生 自宅生 自宅外生
2万,3万,4.5万 2万,3万,4万,5.1万 2万,3万,4万,5.4万 2万,3万,4万,5万,6.4万

上表の金額の中から、自分で選択した金額の貸与を受けることができます。

第二種奨学金は、利子の無い奨学金です。

そのため、大学卒業後の返済を想定して貸与金額を決定する必要があります。

  • 月額20,000〜120,000円(10,000円刻み)

といった自由選択な形で貸与額を決定することができます。

なお、私立大学の医・歯学の場合は、120,000円を選択した場合に限り、40,000円の増額を選択でき、最大160,000円(月額)の貸与を受けることができます。

将来医師になるとはいえ、無闇に最高額で貸与を受け続け、いざ返済となると返せないなんてことにならないためにも、計画的に貸与を受けましょう。

もちろん、日本学生支援機構の奨学金にも、学力基準や家計基準が設けられていますが、

他の奨学金制度に比べて比較的条件が易しいことが特徴的です。

地方自治体による奨学金

近年、地域医療の崩壊や、救急・小児・産婦人科などの医師不足に窮しており、その打開策として「緊急医師確保対策」が2007年に打ち出されました。

これは、地域医療に従事する臨床医を確保するための政策です。

具体的には、地方自治体が独自で奨学金制度を設置し、医学生の修学資金を援助する代わりに、卒業後その自治体で一定期間医師として従事してもらうならば、全額「返還免除」するというものです。

ほぼすべての地方自治体で設置されています。

貸与金額は月額10万円〜30万円ほどで、その多くが「貸与年月の1.5倍の期間、医師として従事すること」を返還免除の条件としています。

仮に入学時から貸与を受け留年をせず6年間で医学部を卒業できた場合、「9年間」の従事が条件となります。

すなわち、医学部6年、初期研修2年、それから9年の従事と、合計17年間その自治体で生活することになります。

矯正医官修学資金貸与制度

法務省が行っている医学部向けの貸与型奨学金制度です。

応募資格として、「医学部医学科第3学年以上」という条件があります。

大学卒業後、初期臨床研修を経たのち、直ちに矯正施設の職員となり、医師として引き続き3年以上勤務した場合に「返還免除」となります。

矯正医官とは、刑務所・少年院・少年鑑別所などの矯正施設内に設置された診療所で医療を施す医師のことです。

学資ローン (日本政策金融公庫)

日本政策金融公庫が行っている教育一般貸付です。

一般的な銀行ローンよりも低金利で融資を受けられ、条件も比較的易しいことで知られています。

世帯における子どもの人数に準じて世帯年収の基準が設けられています。

子どもの人数 世帯年収(所得)の上限額 (事業所得者の場合)
1人 790万円 (590万円)
2人 890万円 (680万円)
3人 990万円 (770万円)
4人 1,090万円 (870万円)
5人 1,190万円 (970万円)

融資額は生徒・学生1人につき350万円以内とされています。

利率は年1.66%、返済期間は15年以内(一部世帯は18年以内)、学生期間中は据置可能など、非常に易しい条件で融資を受けられます。

民間の奨学金制度

医療法人の施設風景
公的な奨学金制度がとても充実していましたね。

しかし、公的支援ということもあり、その多くは学力基準や家系基準が設けられていました。

ここでは、比較的、その学力や家計などの基準が優しいとされる、民間の奨学金制度をご紹介します。

医療法人による奨学金制度

まずは、医学部生のみを対象とした、医療法人・病院グループによる奨学金を紹介します。

医療法人・病院グループによる奨学金のほとんどは貸与型です。

金額は月額10万〜20万円ほどです。

そしてその多くが、学力基準・家計基準がないものがほとんどです。

その代わり、「返還免除」が設けられています。

すなわち、貸与を受けた金額に準じて、その医療法人・病院グループの病院にて一定期間従事することで、返還を全額もしくは一部免除されます。

比較的有名なものを以下に示しますので、ぜひ確認してみてください。

  • 徳洲会奨学金
  • 民医連奨学金
  • 公益社団法人地域医療振興協会
  • 社会医療法人明和会医療福祉センター
  • 医療法人久幸会
  • 医療法人社団和敬会

大学生全般を対象とした奨学金制度

大学生全般を対象とした民間の奨学金制度は数多あります。

給付型・貸与型のいずれもたくさん存在しますが、やはり給付型の方が数は少なく、条件や倍率なども厳しいものになります。

給付型の場合、学業成績だけでなく、品行方正など人物評価も対象となり、募集枠も非常に少ないです。

中には、高校や大学からの推薦状を必要とするものも少なくありません。

貸与型の場合、成績良好であれば条件を満たすことが多いです。

金額は給付型・貸与型ともに月額2万円〜6万円ほどと、医学部生向けの奨学金に比べると少額です。

期間についても、6年間継続して奨学生としていられるかは制度により異なるので確認が必要です。

この他、地方銀行の教育ローンや、新聞奨学金などもあります。

地方銀行の教育ローンには学力基準はなく、家系基準さえ満たせば融資を受けることができます。

しかし、一般的な貸与型奨学金より金利が高いことがほとんどです。

新聞奨学金とは、各新聞社が設置しているものです。

一定期間、新聞配達などをして働いたあと、年数に応じて奨学金が支給されます。

支給額やその他の条件は制度によって異なるので、確認してみてください。

医学部設置大学の制度

大学キャンパス内の風景

授業料免除制度

大学無償化による授業料減免とは独立した別の制度です。

すべての国公立大学と一部の私立大学では、それぞれの大学独自で授業料免除制度が設けられています。

国立大学では、入学金28万円、授業料54万円(年額)が上限です。

もちろん、学力基準や家計基準などがあります。

私立大学では、例えば年収370万円世帯の者が自宅外から通う場合、入学金9万円、学費23万円(年額)が免除されます。

志望する私立大学が授業料免除制度の対象となっているかどうかは、文科省のWebサイトで確認することができます。

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/1420041.htm

大学独自の奨学金(私立)

大学独自で奨学金を設けている場合もありますが、ほとんどが私立大学でしか見受けられません。

私立医学部の学費が低い順は、国際医療福祉大学、順天堂大学、慶応義塾大学ですが、どの大学も、特に慶応は独自の奨学金制度は充実しています。

各大学によって、奨学金の種類や条件などは様々なので、私立医学部を検討する際にはぜひ確認してみてください。

私立大学の特待奨学生制度

一部の私立大学では、一般入試の受験生の中から成績優秀者を特待生・奨学生として採用する場合があります。

内容は、入学金の全額あるいは一部の免除、授業料の全額あるいは一部の免除というケースが一般的です。

初年度のみであったり、学年によって免除額が変動する場合もあるので、

詳細は各大学のホームページで必ず確認してください。

まとめ

日本で最もメジャーな奨学金である、日本学生支援機構。

大学無償化による授業料減免と給付型奨学金ですが、

最も給付金額が高い組み合わせ(私立大学に進学し自宅外から通学する場合)では、6年間で最大約966万円の支援を受けられることになります。

さらには、第一種奨学金(貸与型・利子なし)と第二種奨学金(貸与型・利子あり)とを上限額で貸与した場合、6年間で最大約1600万円の支援を受けることができます。

もちろん、学力や家計基準が設けられている上、卒後に返済ができる範囲で貸与を受けることが大前提ですが、

これらの奨学金を上手に活用することができれば、家計の厳しいご家庭でも私立医学部の約半数を視野に入れることができるようになります。

このように、多くの奨学金制度があります。

せっかくの医学部への進学意思が、修学資金の懸念で潰されないように。

医学部の奨学金制度に興味のあり方はぜひ、このコラムを参考に、ご自分でもより詳しい内容を調べてみてください。

 
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