医学部再受験を解説!可能性や年齢に寛容な大学を紹介

2020年9月7日

医学部再受験の合格難易度や年齢に寛容な大学の紹介

医学部再受験生の合格の可能性や年齢に寛容的な大学の有無など知りたい情報が満載

医学部医学科は原則として医師になる唯一のルートであるため、高校生や浪人生だけでなく、社会人が多いのも特徴。

大学入試をやり直して入学するために「再受験」と呼ばれ、医学部では決して珍しいことではありません。

しかし、医学部に合格することは現役世代でも非常に難しいので、勉強から遠ざかっていた社会人にとってはさらに難易度が上がります。

しかも、年齢など医学部再受験特有の事情も存在。

ここでは、医学部再受験の事情や合格の可能性について詳しく解説していきます。

高校生や浪人生以外で医学部受験に興味がある方はぜひ参考にしてみて下さい。

医学部再受験について

医学部再受験について
医学部再受験とは、過去に医学部進学を諦めた人が再び医学部の一般入試を目指すことです。

医学部再受験の方は、年齢的にも現役生や1浪生よりも上だと思われるので1年でも早期に合格することが大切になってきます。公にはされていませんが、年齢制限を設けている大学もあると言われています。

さらに、一度受験勉強から遠ざかっている人が多いので、入試レベルの学力まで再度上げることが大変になってきます。

しかし、効率的な学習計画を立て、諦めずに絶対に合格するという強い信念で医学部合格を勝ち取っている人は実際に少なくありません

医学部再受験生が多い理由

医学部再受験という言葉があるくらい、社会人で医学部を目指し直す人が多いのは、試験難易度と医師という職業が大きく関係しています。

医学部再受験を目指す人の多くは、高校生や受験生時代に合格を勝ち取れず、他学部に進学したものの夢を諦めきれなかった人。

そして、安定して高い地位と報酬が得られる医師という職業に憧れて医学部合格を目指す人の2パターンに大きく分かれています。

医師になるには基本的に医学部に入学することが唯一の手段であるため、医学部再受験を決意する人が沢山いるのです。

文系出身の医学部再受験は可能?

文系出身の医学部再受験は可能?
医学部再受験生の中には文系出身の人もいると思いますが、合格は決して不可能ではありません。

文系出身でも受験しやすい医学部は複数存在し、文系の長所を発揮できるケースもあります。

ここでは、文系出身の医学部再受験生にとっておすすめの大学を紹介していきましょう。

学科試験は英語に加えて国語も選択できる

英語はどこの医学部入試でも必須科目として設けられているので、英語が得意な人が多い文系出身の医学部再受験ならその分の対策が不要となります。

また、医学部と言えば、英語・数学・理科二科目が基本ですが、国語が選択できる大学もあります。

国公立大学医学部は東京・名古屋・京都・山形の4大学

国公立大学医学部で二次試験で国語を実施しているのは東大をはじめとする旧帝大ばかりで難易度が非常に高く、医学部再受験生にとってはまずそこまで学力を上げることでハードルが高いです。

ただし、山形大学医学部は年齢にも寛容的で22歳以上の合格者も多く医学部再受験生にもおすすめ

私立大学医学部は帝京と昭和の2大学

昭和大学は国語と数学の選択科目となっており、英語・国語・理科二科目で受験できるため、数学が苦手な医学部再受験生にとっては魅力的。

帝京大学の場合は、英語が必須で、後は数学・国語・物理・化学・生物の5科目から2科目選択なので、国語と得意な科目を受験することで医学部再受験生の成功確率を上げることも可能です。

二次試験で理科がない国公立大学【前期】

国公立大学医学部の場合、二次試験で英語と数学の2科目で受験できる大学が複数あります

共通テスト(旧センター試験)では、理科2科目も高得点が必要ですが、二次試験で理科対策が不要な点は文系出身の医学部再受験生にとって魅力的ではないでしょうか。

ちなみに二次試験で理科がない大学は下記となります。

前期で理科のない国立一覧

旭川医科大学、弘前大学、秋田大学、群馬大学、島根大学、徳島大学

※2022年度入試より宮崎大学は理科2科目実施

二次試験で数学と理科がない国公立大学【後期】

国公立大学前期日程は二次試験で理科がない大学が複数ありましたが、後期日程では下記大学で数学と理科がありません。

面接や小論文と共通テストの成績が勝負できるため、定員数が少なく難易度は上がりますが、文系出身の医学部再受験生も挑戦する価値があります。

後期が面接・小論文の国立一覧

秋田大学、山形大学、東京医科歯科大学、富山大学、福井大学、浜松医科大学、名古屋大学、三重大学、山口大学、佐賀大学、鹿児島大学、琉球大学

学習負担の少ない大学選び

学習負担の少ない大学選び

国公立大学の医学部再受験

医学部再受験の人に多いのは、経済的な面を考えて国公立大学医学部一本で目指す人が多いことです。

しかし、国公立大学は共通テスト(旧センター試験)に加えて2次試験と、私立大学に比べて学習量が非常に多くなってしまいます。

したがって、できるだけ少ない科目で効率よく受験できる大学を目指すことが重要です。

共通テスト(旧センター試験)は5教科7科目受ける必要がありますが、2次試験は大学によって受験科目の数が異なってきます。

例えば、秋田大学医学部医学科の前期日程の個別学力試験は、英語・数学の2教科と面接となっています。これなら理科科目はセンター対策だけに注力して行えばいいということです。

しかし、あくまでも科目数が少ないのは学習負担が少ないということで、合格しやすいわけではありません

入試科目が少ない点に魅力を感じるのはライバルも同じであり、1点でも多く点数が取れるようしっかりと対策してく必要があります。

私立大学の医学部再受験

国公立大学医学部の場合は共通テスト対策もあるため学習量が多いだけでなく、学費が安いことから難易度も高くなりがち。

いっぽう、私立大学医学部は、英語と数学と理科2科目の対策で済むため、医学部再受験生にとっては現実的です。

また、併願受験ができるので、医学部再受験で合格できる可能性を高めることができる点が国公立との大きな違い。

むしろ、私立大学を候補に入れられないなら、医学部再受験自体を再考することをおすすめします。

医学部入試はそんなに甘くはなく、失敗に終わった場合は悲惨な現実が待ち受けていることも多いです。

もちろん、私立大学医学部は学費の問題がありますが、最近は学費の安い大学も増え、奨学金などを利用すれば医学部再受験生でもやっていける大学は増えています。

面接試験はもはや避けられない

医学部再受験生の場合、これまでの経歴や年齢で不利になるかもしれないからと面接試験を割ける人が沢山いました。

過去には50代の主婦が面接試験で不合格になったケースもあり、年齢が上がるほど医学部再受験生にとって懸念材料になりがちです。

しかし、2020年の入試から九州大学医学部が面接試験を導入した結果、面接試験のない医学部はゼロに

したがって、面接試験を回避することはできません。

ただし、面接試験を課している大学でも医学部再受験生の合格者は出ています

というのも、面接試験の本来の目的は医師としての素養と大学側が求める人物像であるかの確認です。

医師として必要な倫理観や患者に寄り添える人間性を持ち合わせているかなど、学力試験では分からない部分を面接試験でチェックしています。

医学部再受験生だからと気負いすることなく、しっかりと面接試験に備えて対策すれば合格することも十分可能です。

年齢に寛容な大学の有無

年齢に寛容な大学の有無
面接試験でも触れましたが、年齢が不利になることを心配している医学部再受験生は多いです。

どこの医学部も公正な入試で合否を判定していると言いたいですが、2018年に発覚した東京医科大学の不正入試問題では、年齢や女子受験生に不利な入試を実施していることがありました。

しかも、東京医科大学に留まらず、国公立私立の複数大学でも同じような入試差別が見つかりました

ここでは、医学部再受験生にも影響がある年齢を理由に入試差別を実施していた大学についてみてみましょう(女子差別のみは省略)。

文部科学省が2018年に実施した調査において、一般入試の際に浪人年数が多い受験生に不利な合否判定基準を行っていた医学部は、東京医科大学、順天堂大学、昭和大学、北里大学、金沢医科大学、福岡大学、聖マリアンナ医科大学の7大学です。

なお、北里大学、金沢医科大学では補欠合格者の繰上げ合格の連絡の際に年齢を加味していました。

不正入試を実施した7大学の入試結果の前後比較

大学名 2019年度 2018年度
22歳以上
受験者数
22歳以上
合格者数
合格率 22歳以上
受験者数
22歳以上
合格者数
合格率
東京医科
大学
148 17 11.5% 422 3 0.7%
順天堂大学 75 5 6.7% 80 0 0.0%
昭和大学 386 4 1.0% 364 1 0.3%
北里大学 326 36 11.0% 444 29 6.5%
金沢医科
大学
1014 45 4.4% 1247 36 2.9%
福岡大学 711 57 8.0% 737 36 4.9%

マリアンナ
医科大学
382 38 9.9% 723 17 2.4%
大学名 2019年度 2018年度
22歳以上
受験者数
22歳以上
合格者数
合格率 22歳以上
受験者数
22歳以上
合格者数
合格率
東京医科
大学
148 17 11.5% 422 3 0.7%
順天堂大学 75 5 6.7% 80 0 0.0%
昭和大学 386 4 1.0% 364 1 0.3%
北里大学 326 36 11.0% 444 29 6.5%
金沢医科
大学
1014 45 4.4% 1247 36 2.9%
福岡大学 711 57 8.0% 737 36 4.9%

マリアンナ
医科大学
382 38 9.9% 723 17 2.4%

上記の表を見ても分かるように、不正入試が発覚した直後の入試(2020年度)では、医学部再受験生が該当する22歳以上で合格者が増加しています。

増加率は大学によって大きく異なってきますが、中には2倍以上の合格率になった大学もあります。

この状態がいつまで継続するかは不明ですが、医学部再受験生にとっては年齢の寛容・不寛容の影響が少ない今のうちに合格してしまうことが一番です。

【参考資料】「医学部医学科における不適切な事案の改善状況等に関する調査結果

医学部×高年齢の実際

では実際のところ、どこまでの年齢であれば実際に医学部再受験で合格することができるのでしょうか。

インターネットを検索してみると、2018年の医学部入試差別問題に関連して高齢受験で合格基準を超えても落とされたという記事もありますが、現役医学部生の話では「30代は全く珍しくない」とのこと。

「40歳を超えているとすごいなと感じ、50代越えの入学者はなかなか聞かない」そうで、実際に50歳を超えた入学者は彼自身1人しか知らないと。

医師国家試験の歴代最高齢合格者は66歳というデータもあり、一概に上限があるとは言えませんが、少なくとも30代・40代の医学部再受験は決して珍しくなく、大学選びさえ間違えなければ合格可能性は十分にあるといえるでしょう。

学士編入も考えてみる

学士編入も考えてみる
医学部再受験生は他学部を卒業している人も多いと思います。

したがって、医学部の学士編入試験の出願資格があるはずです。

学士編入試験はもともと社会人の医学部入学希望者を前提に設けられた入試制度なので、一般入試よりも対策しやすいのが特徴。

学科試験は英語と生命科学だけで受験できる大学も多く、国公立大学も併願できるのが魅力。

しかも、編入なら1年生からやり直す必要がないので、時間とお金の節約にもつながります

もちろん、学士編入試験は募集定員が少なく、面接試験が大きなウエイトを占めているので、経歴や人物面の評価が大きく影響してきます。

しかし、編入試験はメリットが沢山あるので、医学部再受験を目指す前に編入試験も検討してみることをおすすめします。

学士編入試験についてはこちら

海外の医学部という選択肢も

海外の医学部という選択肢も
ここまで、文系出身者や学資負担を抑えたい人、年齢が心配な人に向けてそれぞれの対策法などをご紹介してきました。

その他にも医学部再受験を狙うのであれば上記のような編入試験も考慮するべきですが、最近ではこれに追加して「海外医学部への挑戦」もおすすめです。

特に英語の得意な文系出身者や年齢が心配な医学部再受験生にはおすすめなのが海外。

ここでは最後に、近年受験者が増加している海外の医学部再受験ついてご紹介します。

海外の医学部再受験生は増加傾向

これまで、医学部再受験といえば当然のように国内の医学部を目標とされていましたが、2015年度ごろから医学部再受験を含め海外医学部への受験をサポートする予備校ができ始め、年々受験者数が急増しています。

コロナ禍で医学部再受験はもちろん、すでに外国で学び始めている医学部生も受験や帰国に関して様々な問題が出ましたが、それでも海外医学部再受験生は多くなっています。

年齢・性別はほぼ関係ない

日本以上に、海外では実力主義・平等などの考えが強く浸透しており、そもそもの「大学」や「医学部」の社会的位置づけが異なる点から、むしろ20代で医学部生はレアケースだったり男性・女性ごとに定員が定められていたりすることも。

海外の大学は「入学より卒業が大変」と言われるように、入学自体は一定の学力と一定の語学力で補償され、倍率も日本ほど高くないこともあります。

一般の留学より安価なことも

留学と聞くと現地での生活費用や物価など、費用面での不安が多いものですが、医学部再受験を含め海外医学部では奨学金などが非常に充実しており、近年では政府や自治体からの援助も受けられるように。

条件次第では、日本の私立医学部に通うよりもグンと安く医師になることも可能です

情報が少ないのが難点

年齢や経歴、性別を気にする必要がなく、場合によっては私立大学よりも費用を抑えてなれる点で海外の医学部再受験もおすすめではありますが、最大の難点がその情報の少なさ。

専門に扱う予備校があるものの数校しかないのが現状で、ネットに至ってはブログや掲示板、まとめサイトなどもなかなか存在しないのが実際のところ。

最近医学部留学先として注目されている東欧のハンガリーやチェコの国立大学では、日本語でサポートや相談ができる窓口を日本に設置しています

海外医学部留学の流れが分るので、一度相談や質問をしてみると良いでしょう。

医学部再受験の攻略ポイント!ますは基礎を徹底的に叩き込むこと

医学部再受験の学生は、高校生時代の学習をほとんど忘れている人が多いと思うので、まずは基礎力固めに徹してください。

その際、独学だと理解するまでに時間がかかったり、モチベーション的に下がってしまう傾向にあるので、医学部予備校などを利用していくことをおすすめします。

特に、知識の習得が相当量必要になってくるので、大人数の集団クラスの学校よりも少人数あるいは個別指導の医学部専門予備校がおすすめです

授業料は高額になりがちですが、きめ細かいサポートと自分に合ったレベルの指導が受けられるのが魅力です。

医学部予備校の中には医学部再受験生の指導経験および合格実績が豊富なところも沢山あるので、合格するための投資だと思って利用すると良いでしょう。

 
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